黒川紀章先生設計の埼玉県立近代美術館（埼玉県さいたま市）を訪ねてみました　スナップショット　

撮影：建築写真・竣工写真の齋藤写真事務所

埼玉県立近代美術館は、埼玉県さいたま市にある美術館で、自然豊かな北浦和公園の中に位置しています。この美術館は、建築家黒川紀章によって設計され、彼が手掛けた最初の美術館です。

美術館は、中銀カプセルタワービルなどで有名なメタボリズム建築のスタイルで建てられています。外観は格子状の柱梁構造で、エントランスへのアプローチは格子に囲まれた屋外でも屋内でもない中間領域から行われます。美術館内部には、モネ、シャガール、ピカソなどの海外の巨匠から日本の現代作家、埼玉ゆかりの作家まで、約3000点の所蔵作品が展示されています。また、美術館は椅子の美術館としても知られており、数多くの名作椅子に座ることができます.

美術館の外観は、緩やかに波打つファサードが美しく、ガラス面に直線的な格子のリフレクションが映ります。内部にはアールに沿った石のベンチやアトリウムがあり、自然光が採り入れられています。さらに、美術館の周辺には彫刻作品やカプセルも設置されており、建築とアートが一体化した魅力的な場所です。

中銀カプセルタワービルは、1972年に竣工した建築家黒川紀章の代表作であり、メタボリズム運動において当時最若手の建築家として活躍した黒川のマスターピースです。

この建物は、約10平米のスペースに人間が生活する最小限の機能を詰め込んだ「カプセル」140個から構成されています。カプセルは取り外しや移動、交換が可能で、新陳代謝する建築物というユニークな思想が体現されています。

解体工事中に取り外された23個のカプセルが再生され、そのうちの1つ（カプセルA908）が、黒川紀章が設計した埼玉県立近代美術館に展示されています。現在は外観のみ無料で見ることができます。このカプセルは、建築史に残る作品であり、黒川紀章の建築思想と美術館のコレクションが一体化した興味深い展示となっています。

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