NHK『新プロジェクトX』を見て思い出した、2021年の名古屋城・本丸御殿の見学記
先日(あるいは昨日)、NHKの『新プロジェクトX』で「名古屋城 本丸御殿」の復元プロジェクトが取り上げられていましたね。
太平洋戦争の空襲で焼失してしまった「幻の国宝」を、残された約440枚の古写真や図面をもとに、宮大工や錺(かざり)金具職人など延べ2,100人もの職人さんたちが10年の歳月をかけて寸分違わず完全復元した……という壮絶な闘いの物語。
録画を見ようと準備しながら、「そういえば自分も以前、あの圧倒的な建築空間をこの目で確かめに行ったな」と思い出しました。
遡ること2021年11月。大阪での撮影仕事を終えた帰路、ずっと気になっていた名古屋城と復元された本丸御殿を見学してきました。
一歩御殿足を踏み入れた瞬間、その空間美に息をのみました。本丸御殿の復元技術はまさに圧巻の一言でした。頭上に広がる美しい格天井や、狂いのない柱の立ち方、木肌の仕上がり。職人たちが最高級の木材を選び抜き、伝統技法で組み上げた仕事の冴えがひしひしと伝わってきます。
柱の長押(なげし)や飾りに使われている錺金具の精緻な意匠。光の当たり方で表情を変える金属の質感が、木彫や障壁画の彩りと見事に調和していました。
番組でも紹介されていた通り、たった何枚かの古写真の影や歪みを読み解き、現代の職人たちが現代に呼び戻した技術と情熱。写真一枚に込められた情報の深さを再認識させられる思いです。
『新プロジェクトX』で復元の裏側にあった壮絶な苦労や職人たちの意地を知ったうえで、当時の写真を改めて見返すと、一枚一枚の木材や金具に込められた「祈り」のようなものまで感じられます。
過去の記録(写真や図面)があったからこそ現代に蘇り、そして今また私たちがそれを写真に収めて未来へ伝えていく。写真を生業とする一人として、非常に考えさせられる見学体験でした。
録画の番組本編も、これからじっくりと噛み締めながら楽しみたいと思います。
皆さんも名古屋を訪れる機会があれば、ぜひこの現代の職人技の結集である「本丸御殿」へ足を運んでみてください。
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