仕事で近くに行ったついでに寄ってみた　京都御所　-2-　撮影：建築写真・竣工写真の齋藤写真事務所

京都御所（きょうとごしょ）は、京都市の中心にある広い敷地の中に建てられた、昔の天皇の住まいです。長い間、日本の都が京都にあったため、京都御所はとても大切な場所とされてきました。現在でも、昔の建物や庭が美しく残されていて、訪れる人を歴史の世界へといざなってくれます。そんな京都御所には、見どころがたくさんあります。

まず最初に目を引くのが、御所の正門「建礼門（けんれいもん）」です。この門は、特別な儀式のときだけ開かれる、とても格式の高い門で、ふだんは閉じられています。門のデザインはとても美しく、厳かな雰囲気を感じることができます。この建礼門を正面に見ながら進んでいくと、大きく立派な建物「紫宸殿（ししんでん）」が見えてきます。ここは、天皇の即位式など、最も重要な儀式が行われた場所です。広い庭の正面にたたずむ紫宸殿は、まるでおとぎ話の世界に出てくるような、優雅な雰囲気を持っています。

紫宸殿の前には、「左近の桜（さこんのさくら）」と「右近の橘（うこんのたちばな）」という木が左右に植えられています。これらの木は、昔から縁起が良いとされていて、宮中の行事でも大切にされてきました。春には桜の花が咲き、見る人の心をやさしくしてくれます。

御所の中を進んでいくと、「清涼殿（せいりょうでん）」や「小御所（こごしょ）」など、天皇がふだん過ごしていた場所を見ることができます。清涼殿は、昔の天皇の日常生活の場として使われていた建物で、内部の造りはとても上品です。柱や天井、ふすまなどに使われている木のぬくもりや、日本独特の建築美が感じられます。小御所は、将軍などの重要なお客様を迎える場所として使われており、ここでも格式の高さがうかがえます。

そしてもうひとつの見どころが、美しい庭園です。京都御所には、いくつかの庭があり、四季によってさまざまな表情を見せてくれます。春には梅や桜、夏には青々とした草木、秋には紅葉、冬には雪の景色が楽しめます。池や石、木々の配置がとても丁寧に考えられていて、歩くだけで心が落ち着きます。とくに「御池庭（おいけにわ）」は、水と緑の調和が美しく、写真を撮る人にも人気があります。

京都御所は、ただの観光地ではなく、日本の歴史や文化を感じることのできる場所です。広い敷地の中を歩きながら、昔の天皇や貴族たちがどんなふうに暮らしていたのか、どんな思いで日々を過ごしていたのかを想像してみると、より深く楽しむことができます。静かな空間の中で、ゆったりと歴史を感じられる京都御所は、大人にも子どもにもおすすめの特別な場所です。

撮影：齋藤写真事務所
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